贈答用の扇子(せんす)

「扇子」(せんす)は、扇(あお)いで風を起こす道具で、儀礼、芸能でも用いられます。

古くは扇(おうぎ)と呼ぶのが普通でした。

「おうぎ」という言葉は古くは「あふぐ」(扇ぐ)の派生形の「阿布岐(あふぎ)」と呼ばれましたが、日本語の変化により関連が分かりにくくなりました。

英語では、原動機を用いる Fan との区別で、Hand fan と呼びます。

沈折(しずめおり)の白扇
▲沈折(しずめおり)の白扇。白扇は古くは贈答の品として使われました。

数本から数十本の細長い竹や木で出来た骨を束ねて端の一点(要=かなめ)で固定し、使わないときは折りたたみ、使用時に展開します。

骨には、たいてい紙が貼られており、展開すると紙を貼られた部分が階段状の扇面となり、折り畳むことでコンパクトに納めることができます。

骨を右手親指でずらすように押したり、扇子そのものを振ることで開きます。

一般的には右利き用ですが、左利き用も販売されています。

折りたたんだ際の形状が持ち運びに優れている事から、夏場の外出時での涼みに使えるとして愛用する人も多いです。

扇子を手にして使う様子
▲扇子を手にして使う様子

扇子を開く角度はだいたい90度から180度の間で、円を三等分した中心角120度前後のものが主流です。

扇子を開いた形は「扇形」(おうぎがた/せんけい)と称し、幾何学の用語にもなっています。

このような扇子の形状は「末広がり」に通ずるので縁起の良いものとされ、めでたい席での引出物としても用いられます。

古くは江戸時代の正月に、親しい相手に白扇を贈る習慣がありました。

儀礼用として、杉原紙(すぎはらがみ)1帖に白扇1本をひと組の贈答品にしました。

現在は能楽、落語などで節目の舞台をする時に、出演者や贔屓(ひいき)の方に配る慣習があります(被き扇)。

かつては販売促進の物品に使われていたこともありましたが、団扇(うちわ)にその座を追われた格好です。

この他、平安時代などにおける貴族階級で上位の階級の者が、親しい下位階級の者に下賜(かし)する時の贈答品としても用いられました。


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杉を使用した扇子

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参考文献(wikipedia);
扇子(せんす)
https://bit.ly/2Pf9fMF
杉原紙(すぎはらがみ)
https://bit.ly/3jXwF7t
護摩(ごま)
https://bit.ly/3jXq8cS