日本の鋸(のこぎり)

日本の鋸(のこぎり)
日本の木工や木造建築において用いられる伝統的な形態の鋸(ノコギリ)をご紹介します。

ヨーロッパなどのノコギリは、押して材料を切断する「押ノコ」ですが、日本のノコギリは引いて切断する「引きノコ」です。

引く動作では、体重をかけることが難しくなります。

日本のノコギリは海外でも使用されています。

過半数は、有力なノコギリ産地の兵庫県三木市に近い神戸港から輸出され、輸出先はアメリカ合衆国が中心ですが、近年ではヨーロッパ諸国への輸出量が拡大しています。

日本のノコギリには、主に以下の種類があります。

・胴付鋸、胴突鋸(どうづきのこ)鋸板(のこいた)の背(刃の無い側)が背金(鞘)で補強された片刃のノコギリ。
片刃のノコギリ

・両刃、両歯(りょうば)様々な大工仕事に用いることができるように、鋸板(のこいた)の両側に刃があるノコギリ。片側の刃は木目を横切って挽く横挽き(横目)用、もう片側は木目と平行して挽く縦挽き(縦目)用になっています。

上側:横目(細かい目)、下側:縦目(粗い目)ノコギリ
 ▲上側:横目(細かい目)、下側:縦目(粗い目)

・畦挽(あぜびき)
 細工に用いる小型の両刃型で、材木を角からではなく平面の表面から切り込むことができ、刃は半月状のカーブになっており、平らな面のどこからでも切り込めます。
畦挽(あぜびき)ノコギリ

・回し引き(まわしびき)
 曲線を切るための鋸板が細いノコギリで、ヨーロッパの keyhole saw に相当します。
回し引き(まわしびき)ノコギリ

・替え刃(かえば)
 刃の部分を脱着できるようにしたノコギリ
替え刃(かえば)ノコギリ

替刃式鋸の鋸刃ノコギリ
 ▲替刃式鋸の鋸刃

・大鋸(おが/おおが)
 動力ノコギリが導入される以前に使われていた、板を切り出すために用いられた大型の縦挽きノコギリ。
 2人用では、ひとりが高い位置の台に上がって切る板を下にして立ち、もうひとりが板の下に立って作業します。

大鋸による製材作業(室町時代)
 ▲大鋸による製材作業(室町時代)

・前挽き(まえびき)
 動力ノコギリが導入される以前に使われていた、板を切り出すための1人用の縦挽きノコギリで、前挽大鋸(まえびきおが)、木挽鋸(こびきのこ)とも言います。

前挽き鋸による製材風景(富嶽三十六景・遠江山中)
 ▲前挽き鋸による製材風景(富嶽三十六景・遠江山中)


ガラスの小口保護や、すき間塞ぎの商品「エッジシール」の切断には、横目(細かい目)のノコギリが便利です。

コの字の硬質部をノコギリで切断し、軟質部をニッパーで仕上げる方法をお奨めしております。


エッジシール商品一覧
エッジシール

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参考文献(wikipedia、建築用語集);
日本の鋸(のこぎり)
https://bit.ly/2VTUnHs
胴付き鋸(どうつきのこ)
https://bit.ly/3e9fyeV
畦挽き鋸(あぜひきのこ)
https://bit.ly/2O54kNQ
Keyhole saw(回し引き)
https://bit.ly/2ZZtB1N
富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)
https://bit.ly/38AcQy3
ニッパー(cutting nippers)
https://bit.ly/38C3Sju