「塗装」の目的と効果

「塗装」の目的と効果
「塗装」(とそう)は、物の表面を塗料の皮膜で覆う処理です。

一般的に物体の装飾や保護、防錆を目的として行われますが、建築物などでは通路とそれ以外のスペースの識別などにも使用されることがあります。

同様の目的で、めっきを施すこともありますが、塗装の多くは、表面に皮膜となる塗料を常温・大気下で塗布でき、より簡便です。

ただし、塗料の性質上、めっきに比べると被膜は弱くなります。

金属の多くは大気中の酸素に触れることで酸化し錆を発生させます。

鉄の場合は表面の錆が内部に向かって浸蝕する性質が強く、多くの鉄製品では塗装が必須です。

また単純に見栄えを良くするための装飾目的でも塗装はしばしば行われます。

塗料にも、目的によって様々な性質のものがあり、防錆用に耐候性に優れ、厚い皮膜を作るものから、装飾用に耐光性に優れ、発色良く「光沢ある表面」に仕上がるもの、「艶(ツヤ)消し」など特定の性質を持つものなど様々です。

これらには各々得手不得手があり、その目的に添って使い分け、あるいは重ね塗りが行われます。

適切に重ね塗りすることで、単一の塗料では得られない強固で見栄えの良い塗装を行えます。

塗料と皮膜の平均的な厚さが同じ場合は、特に均一に施された塗装ほど長持ちしますが、これは一度の塗布では難しく、このため単一の塗料でも重ね塗りする場合があり、その際には(前回と同一の一定方向に向かって帯状に塗布していくのではなく、)前回とは直角になる方向に塗布していくことで、塗斑を抑えます。

塗料は、塗装対象の塗装面の材質に合ったものを選ぶ必要があり、場合によっては、塗料の性質に合うように塗装面にシーラーを施すなどの下処理が必要です。

▼高知県の影野駅(かげのえき)駅舎
・ペンキを塗る前:
ペンキを塗る前

・ペンキを塗った後:
ペンキを塗った後

ペンキを塗った後

▲半分塗装された阪急電車中津駅近くにある鉄橋。
 塗装されていない側は剥げや錆が目立ちます。

「焼付け塗装」は、一般的に120~200度の温度で30分以上加熱し、塗料を硬化させる塗装をいいます。

強制乾燥塗装と似ていますが、焼付塗装は焼付硬化型の塗料を使用するのに対し、強制乾燥は自然乾燥タイプの塗料に熱を加え強制的に速く乾燥させることを言います。

焼付塗装には、メラミン焼付、アクリル焼付、ウレタン焼付、フッ素焼付等があります。

他の主な塗装方法に、「ハケ塗り、ローラー塗くり」「吹付塗装」「エアレススプレー」「ロールコーター」「浸漬塗り」「電着塗装」「静電塗装」「粉体塗装」「紫外線硬化塗装」などがあります。


▼この「ガラス引戸」のアルミ枠は、元々シルバー色ですが黒の焼付塗装を施したことにより、高級感のあるドアになりました。
「ガラス引戸」

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参考文献(wikipedia)
塗装
https://bit.ly/31f60Mx
影野駅(かげのえき)
https://bit.ly/2Yu4O6i