世界幸福度ランキング(キャントリルの梯子)
先日「世界幸福度報告書(2019年版)」が発表されました。
初めて発表された2012年に44位だった日本の幸福度は、
今年は58位と過去最低、先進7か国では最下位でした。
過去の調査では、
2012年:44位
2013年:43位
2014年:-----
2015年:46位-
2016年:53位
2017年:51位
2018年:54位
2019年:58位
と着実に幸福度が下落傾向にあります。
そもそも幸福度とは一体何なのでしょうか。
この調査では、(1)一人当たりGDP、(2)社会的支援、
(3)健康寿命、(4)人生選択の自由度、(5)寛容さ、(6)腐敗認知度
などの要素を基準にランク付けされたものに加え、
「キャントリルの梯子(ハシゴ)」の質問が
主観的幸福度の測定に用いられています。
回答者は、
「ありうる最悪の人生」を梯子の0段目、
「ありうる最高の人生」を梯子の10段目と考え、
現在自分がその梯子の何段目にいるのかを答えます。
「理想の人生」の現在の達成度を問う質問です。
評価の「ものさし」となる最悪や最高は、回答者自身が設定します。
日本は、ランキング基準の
「所得や健康と寿命、社会支援や自由・信頼」などが
かなり良い筈ですが、幸福度は50位以下という結果です。
2年連続幸福度1位のフィンランドと、
幸福度への各指標の影響度を比べると、
日本は「人生選択の自由度」と「寛容さ」で
足を引っ張っているようですが、特に際立つものではないです。
↓ 毎年「幸福度」と「推計値」に大きな差がある国
また、他国と比べ「どちらでもない」や「わからない」といった
ハッキリ白黒をつけない回答を好む人が多いのは、
国際比較調査等で頻繁に見られる日本の特徴です。
「自分自身に関して、今年と比べ来年はどうなると思うか?」
という選択式アンケートの調査の結果、日本は「わからない」の比率が
他のどの国よりも高く、全体平均の3倍超でした。
「変わらない」も多いです。
グラフの右上隅に近いほど「どちらでもないバイアス」が強いと言えますが、
そこがまさに日本の定位置となっています。
また、ある顧客満足度の国際比較調査では、
「満足」でも「不満」でもなく、「どちらでもない」
と答えた比率が日本は他国の約2倍でした。
「どちらでもない」や「わからない」と選択しがちな人が、
自身の人生の達成度について0~10で採点するよう問われたとき、
どのように回答するか想像すると、最も答えやすい無難な回答は、
おそらく、ちょうど真ん中の「5」ではないでしょうか。
幸福度調査で日本人の回答が「どちらでもないバイアス」によって
中間付近に寄っているということも推測できます。
結局、幸福の定義は人それぞれで
育った文化や考え方などにより大きく左右されます。
人間は「無い物ねだり」の傾向があります。
目の不自由な人は、見えるようになれば幸せを感じます。
お金がない人は、お金がたくさん入れれば幸せと感じます。
仕事がない人は、仕事を得て給料をもらえると幸せと感じます。
つまり自分が今「不足」と感じているものが手に入ると幸せと感じます。
ところが、幸福のハシゴを上り、その「幸せ」を手に入れてしまうと、
時間が経つにつれて幸福感が薄れ、また別の「幸せ」を求めて
別のハシゴを上り始めることも多いです。
そこで得られた体験や知恵を次の挑戦に活かし、
他人とシェアすることで、未来に貢献できたりしますので、
永遠に「究極の幸せ」を探し続けることも、一つの幸せだと思います。
様々な場所に楽に移動できる、
レール式の「梯子システム」は好評発売中です。
https://bit.ly/2KJPVaX
参考文献
シェアーズカフェオンライン(2019/4/18)
「国連幸福度ランキングは、どう偏っているのか。」
https://bit.ly/2KOAQFr
Wikipedia
世界幸福度報告
https://bit.ly/2ZnD15I
幸福
https://bit.ly/2kKTi1H
ハドレー・キャントリル(Hadley Cantril[米]:1906-1969年)
https://bit.ly/2GsVDKe
梯子(はしご)
https://bit.ly/2Fz7giI
初めて発表された2012年に44位だった日本の幸福度は、
今年は58位と過去最低、先進7か国では最下位でした。
過去の調査では、
2012年:44位
2013年:43位
2014年:-----
2015年:46位-
2016年:53位
2017年:51位
2018年:54位
2019年:58位
と着実に幸福度が下落傾向にあります。
そもそも幸福度とは一体何なのでしょうか。
この調査では、(1)一人当たりGDP、(2)社会的支援、
(3)健康寿命、(4)人生選択の自由度、(5)寛容さ、(6)腐敗認知度
などの要素を基準にランク付けされたものに加え、
「キャントリルの梯子(ハシゴ)」の質問が
主観的幸福度の測定に用いられています。
回答者は、
「ありうる最悪の人生」を梯子の0段目、
「ありうる最高の人生」を梯子の10段目と考え、
現在自分がその梯子の何段目にいるのかを答えます。
「理想の人生」の現在の達成度を問う質問です。
評価の「ものさし」となる最悪や最高は、回答者自身が設定します。
日本は、ランキング基準の
「所得や健康と寿命、社会支援や自由・信頼」などが
かなり良い筈ですが、幸福度は50位以下という結果です。
2年連続幸福度1位のフィンランドと、
幸福度への各指標の影響度を比べると、
日本は「人生選択の自由度」と「寛容さ」で
足を引っ張っているようですが、特に際立つものではないです。
↓ 毎年「幸福度」と「推計値」に大きな差がある国
また、他国と比べ「どちらでもない」や「わからない」といった
ハッキリ白黒をつけない回答を好む人が多いのは、
国際比較調査等で頻繁に見られる日本の特徴です。
「自分自身に関して、今年と比べ来年はどうなると思うか?」
という選択式アンケートの調査の結果、日本は「わからない」の比率が
他のどの国よりも高く、全体平均の3倍超でした。
「変わらない」も多いです。
グラフの右上隅に近いほど「どちらでもないバイアス」が強いと言えますが、
そこがまさに日本の定位置となっています。
また、ある顧客満足度の国際比較調査では、
「満足」でも「不満」でもなく、「どちらでもない」
と答えた比率が日本は他国の約2倍でした。
「どちらでもない」や「わからない」と選択しがちな人が、
自身の人生の達成度について0~10で採点するよう問われたとき、
どのように回答するか想像すると、最も答えやすい無難な回答は、
おそらく、ちょうど真ん中の「5」ではないでしょうか。
幸福度調査で日本人の回答が「どちらでもないバイアス」によって
中間付近に寄っているということも推測できます。
結局、幸福の定義は人それぞれで
育った文化や考え方などにより大きく左右されます。
人間は「無い物ねだり」の傾向があります。
目の不自由な人は、見えるようになれば幸せを感じます。
お金がない人は、お金がたくさん入れれば幸せと感じます。
仕事がない人は、仕事を得て給料をもらえると幸せと感じます。
つまり自分が今「不足」と感じているものが手に入ると幸せと感じます。
ところが、幸福のハシゴを上り、その「幸せ」を手に入れてしまうと、
時間が経つにつれて幸福感が薄れ、また別の「幸せ」を求めて
別のハシゴを上り始めることも多いです。
そこで得られた体験や知恵を次の挑戦に活かし、
他人とシェアすることで、未来に貢献できたりしますので、
永遠に「究極の幸せ」を探し続けることも、一つの幸せだと思います。
様々な場所に楽に移動できる、
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https://bit.ly/2KJPVaX
参考文献
シェアーズカフェオンライン(2019/4/18)
「国連幸福度ランキングは、どう偏っているのか。」
https://bit.ly/2KOAQFr
Wikipedia
世界幸福度報告
https://bit.ly/2ZnD15I
幸福
https://bit.ly/2kKTi1H
ハドレー・キャントリル(Hadley Cantril[米]:1906-1969年)
https://bit.ly/2GsVDKe
梯子(はしご)
https://bit.ly/2Fz7giI